関節リウマチの検査について
関節リウマチでは、血液検査で炎症の状態や関節リウマチに特徴的にみられる物質を調べたり、 X線検査(レントゲン)、関節エコー検査、関節MRI検査で関節の状態を確認することにより、 関節リウマチなのか、その他の疾患であるのかを判断するとともに、関節リウマチの疾患活動性※1 の判定、治療効果の判定などを行います。
関節リウマチの血液検査
血液検査では、リウマトイド因子・抗CCP抗体などの関節リウマチの診断マーカーや炎症の程度の指標であるCRPやESR(赤血球沈降速度)や軟骨破壊に関係している酵素であるMMP-3などをチェックします。
血液検査項目
リウマトイド因子
リウマトイド因子 rheumatoid factor (RF)は、関節リウマチの診断マーカーとして最も一般的に測定されています。
RFとは、ヒトのIgGというたんぱく質に対する抗体で、関節リウマチの炎症に関係しますが、必ずしも、関節リウマチでのみリウマトイド因子が陽性なになるわけではなく、他の疾患でも陽性になる場合もありますので、それらを鑑別する必要があります。
しかも、健常者の3%、高齢健常者では10%も陽性に出ます。
反対に、関節リウマチ患者さんでは約80%の方が陽性となりますが、残りの20%の方では陰性となるため、例えリウマトイド因子が陰性でも関節症状がなければ関節リウマチは否定できません。
リウマトイド因子は関節症状を認める患者さんに有用な検査と言えます。
抗CCP抗体
抗CCP抗体も関節リウマチの診断マーカーとして、有用な検査です。
早期関節リウマチにおける診断感度は、リウマトイド因子よりも高く、関節リウマチになる数年前から陽性になることがあります。
抗CCP抗体が陽性となる関節炎の患者さんでは、関節リウマチの可能性は高くなります。
しかし、100%というわけではありませんので、他の病気でも陽性になることがあります。
CRP
肝臓で作られるたんぱく質です。
体に炎症が起こると増加し、炎症の程度を示します。
関節リウマチに特異的なものではなく、 感染症など様々な疾患 においてその値が高くなります。
ESR(赤血球沈降速度)
細い血管の中で赤血球が沈む速度のことです。
体に炎症が強いとこの数値が高くなります。
関節リウマチに特異的なものではなく、 感染症など様々な疾患においてその値が高くなります。
MMP-3
軟骨を構成する成分を壊してしまうたんぱく質です。
関節の中にある滑膜が炎症を起こした時に増える物質です。
疾患活動性・寛解※1
疾患活動性とは病気の勢いのことです。
病気の活動性が高いときには、多くの関節に痛みや腫れがあり身体の炎症反応がひどい状態にあります。病気の活動性がとても低く、症状がほとんどない状態を「寛解(かんかい)」といいます。