関節リウマチの画像検査
X線検査(レントゲン)について
X線検査(レントゲン)では、関節の隙間が狭くなっていないか・骨が削れていないか(骨びらんがないか)・変形していないかなどがわかります。
しかし、関節リウマチの早期では、まだ骨の変化がはっきりわかることは少なく、他の検査が必要となります。
関節エコー検査について
関節リウマチが引き起こす炎症を観察する検査です。
どこが腫れているのか、どこに炎症があるのかを確認し、早期診断や治療の効果判定・治療薬の決定に重要な検査です。
手指などの関節に炎症(滑膜炎)が起こると、パワードプラモードで増殖した滑膜(緑で囲まれた部分)のなかの異常な血管が赤黄色にみえます。治療の効果が得られると炎症は減少し、赤黄色はなくなっていきます。
関節MRI検査
関節MRI検査では、早期関節リウマチにおける滑膜炎(滑膜の炎症)や骨髄浮腫※2および、X線検査(レントゲン)ではわからない骨侵食※3をとらえることができます。
特に、骨髄浮腫やMRIでの骨侵食はX線検査(レントゲン)での骨侵食の前駆病変と考えられており、早期関節リウマチの予後予測にも重要な所見になります。
左右 第3指中手骨 遠位部に骨侵食と考えられる信号変化あり
左 尺骨茎状突起周囲に滑膜炎及び関節液と考えられる信号変化あり
関節リウマチの早期診断予測基準
当院はMRIによる関節リウマチの早期診断予測基準(厚労省研究班)に沿って関節MRI検査を取り入れた、関節リウマチの早期発見、診断に取り組んでおります。
MRIを取り入れた関節リウマチ早期診断予測基準(厚労省研究班)
(1) 抗 CCP 抗体または IgM-RF 陽性・・・ 2 点
(2) MRI 画像による対称性手・指滑膜炎・・・ 1 点
(3) MRI 画像による骨髄浮腫あるいは骨侵食・・・2点
総計 3点以上で (感度 82.5%、特異度 84.8%)早期関節リウマチ と診断しています。
当院で使用するオープンMRIは広く開放した環境で検査が受けられるので、狭いところが苦手な方やお年寄りなど、MRI検査が苦手な方にも配慮しています。
骨髄浮腫※2
X線検査(レントゲン)では認識できず、MRIではじめて認められる変化です。
骨侵食よりも程度の軽い炎症細胞の浸潤と血管増生を反映しており、骨侵食よりも骨髄の中心側に位置する。また、骨髄浮腫は骨侵食に接して認められるものと、単独で認められるものがあります。
骨侵食※3
骨皮質欠損およびその近傍の骨髄における限局性の異常信号
骨欠損そのものではなく、骨欠損部に隣接した滑膜肥厚(パンヌス)、骨髄の炎症細胞の浸潤と血管増生を反映しています。